Life Style | Yadokari

築150年の古屋敷に縁あって改修しながら10年間住むことになりました。その暮らしを紹介する宿借日記です。
inoshishi01

いのちはてる

イノシシのウリ坊が裏の森で罠にかかりました。
そして、その日のうちに槍のような刃物で射止められました。

朝、お隣さんからウリ坊が檻に入っているということを聞き、
すぐに裏へいってみると、近づいてくるニンゲンに恐怖心と敵意をむき出しにした
小さなイノシシがそこにいました。
何度も檻の端まで下がっては突っ込んで威嚇してきます。
その様子を数枚写真に収めその場を去りました。

・・・

家で仕事をしていると、森中に響いわたる叫び声。
カメラを取りその場へ駆けていきました。
槍でひと突きされてもなお立ち向かっていく小さなイノシシ。
そこにひと突き、またひと突きと。僕の心拍数が上がります。

もう直ぐ死ぬのかな。
ひと突きで殺してほしいな。
イノシシは勇ましいな。
もう少し良いアングルで撮りたいな。

動きが遅くなった。
自分の子供と重なるな。
こんなに小さいのにかわいそうだな。。。
食べられるのかな、美味しいかもな。
心が締め付けられるようだな。
なんか変な匂いがするな。

空間がどんどん狭くなる気がする。
血が思ったほど出ていないな。
このトドメを刺そうとしている人は、こういうの慣れているのかな。
田畑を荒らすから殺されるのか。。。
自分も見ているから殺しているのか。。。

動きの鈍いイノシシの心臓にズッと刃が入り絶命しました。
心に残る独特な匂いと音。
様々な思いが巡り、何か言い訳を探していました。
この小さなイノシシは肉にはならずに処分されるということでした。

僕が捌けたらいのちを頂くことができたのに。井口さんはすごいなぁ。
そんなことも思いながら、死んだイノシシの後を歩いていきました。

 

 


もうじき、親イノシシも罠にかかるそうです。


2015年10月15日

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